時速5ミリメートル

アニメの感想を書いていきます。

ノスタルジーを語るにはアニメが最も適している

ノスタルジー(ノスタルジア)

 人が現在いるところから、時間的に遡って過去の特定の時期、あるいは空間的に離れた場所を想像し、その特定の時間や空間を対象として、「懐かしい」という感情で価値づけること。
 通常は、時間的に未来がその対象とされることはなく、また対象の負の部分は除外され、都合よくイメージが再構成される場合が多い。なお、本人がその時間や空間を実体験したかどうかは必ずしも問われず、第三者からの情報にもとづいて想起し、さらに自己の創作した想像を加え拡大しこの感情を持つことも可能である。また、過去や異空間からもたらされた特定のものや人物に即し、これを媒介としてこの感情を持つこともある。(wikipedia)


と、いろいろややこしい事が書いてありますが、ノスタルジーってのは概念なので、一概にこれだ!っていう言葉を見つけるのは難しいんですね。
僕がまず言いたいのは、このwikiの解説が少し物足りないということ。
「懐かしい」という表現です。間違ってはいませんが、正解でもない。「懐かしい」という感情にはマイナスの意味が含まれていません。ノスタルジーがまだ弱い段階では、「懐かしい」で終わるのですが、そこからだんだん強くなってくるとそのうち心を傷めるようになります。懐かしさを覚えたあとに、それらがもう二度(もしくは一度も)体験できないことに気づき、焦燥感や恐怖が襲ってくるんです。

いやそれはお前がネガティブだからじゃないのかって?
否定はしません。ですが、後ろを振り返らない人間に強いノスタルジーはやってきません。そもそも前しか見ていない(褒めています)人がノスタルジーなんて病気にかかるわけはないんですよ。彼らはそんな過去の事は振り返らずに今を精一杯生きているはずです。

余談ですが、18世紀の頃、ノスタルジーは頃精神病理学の一種として位置づけられていたそうです。

立派な心の病気ですよ。


ということで、やっと本題。
どうしてノスタルジーを表現するのに、アニメが最も適しているのか。


ノスタルジーを表現するには、まず映像作品でなくてはなりません。
例えば、小説や漫画などでもノスタルジーを感じる事ができますが、これらは自分でページを開いたりして、読み進むものです。つまり、表現は大袈裟ですが、能動的になるということ。
前を向いてはいけません。それはノスタルジーの後ろを向くという性質と相反します。やはりノスタルジーを一番感じる為には、受動的に味わえるものでなくてはなりません。
映像作品なら再生ボタンを押してしまいさえすれば、後は勝手に進んでいきますよね。(一時停止はダメです。映像じゃなくて画になります)。
作中の時間が過ぎていき、過去になっていく。その感覚、事実にノスタルジーを感じるわけです。

それなら実写映像でもいいんじゃないの?と思われる方もいるかもしれません。
ですが、実写というのは、CGも使われたりしますが、基本的に実在する人間や動物を使って物語が進行していきます。実在する生き物というのは、そこらへんに転がっているので、というか自分なので、どうにかしてあの世界に行けるんじゃないかと思えてしまう。それでは弱い。
でもアニメなら、アニメでならそれはもう動く絵なわけですから、手が届くはずもない。
アニメの世界はどこにもないんです。たとえモデルになった場所に行ったとしても、絵は動かないし、好きなキャラクターはそこにはいない。

いくら願ってもそこにたどり着けないという現実が、ノスタルジー細胞を刺激するんです。


お分かりいただけたでしょうか?下手くそな僕の文章で、上手く伝わっているかが不安です。
百聞は一見に如かずということで、僕の話がいまいちだったという方にも、おまけとして参考資料を差し上げます。


のんのんびより

【PV】「のんのんびより」アニメ化決定!プロモーション映像

小学生×田舎というノスタルジーの鉄板。タイトル通りのんびり。
ノスタルジーはあるけど、辛くなるほどではない(人によりけり)。
見やすくておすすめです。


AIR

Air Anime Opening-Tori No Uta

ファンタジーとなると僕はやっぱりAIRを紹介したくなりまね。
どこまでも広がる青空と、千年の時を感じさせるアニメは他にないと思います。


キングオブノスタルジーアニメ。秒速5センチメートル。

「秒速5センチメートル」予告編 HD版 (5 Centimeters per Second)


美しい背景と音楽、ストーリーのどれもがノスタルジー細胞を刺激してきます。これは見ると辛くなってきます。神様僕を小学生に戻してください。赤ちゃんまで遡ってもいいので。ばぶぅ。


と最後はアニメの紹介になってしまいましたが、これで終わりです。
ノスタルジーに浸りすぎて現実が疎かにならないようお気をつけください。

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